「毎年キャリア行事をやっているが、生徒が受け身で寝てしまう」
「素晴らしい社会人を呼んでも、表面的な調べ学習で終わってしまう」
[▶︎ 前回の記事](https://tomonico.jp/hataraku-gaman-event/)では、多くの先生方が抱えるこの悩みの根本原因が、生徒たちの「働くことへのネガティブな思い込み」にあることを、事前アンケートのデータとともにお伝えしました。実に80%(260名)の生徒が、働くことに対して「毎日大変そう・疲れていそう」「我慢してお金を稼ぐこと」という冷え切ったイメージを持ったまま、体育館に集められていたのです。
9月10日、ついにその本番の幕が上がりました。舞台となったのは、公立高校です。
100分間の「対話型キャリア探究イベント」終了後、彼らの価値観には目を疑うような劇的な変化が起きていました。大人の「本音と生き様」に真正面からぶつかった322名の高校生に、一体何が起きたのでしょうか。事後アンケートのデータから、その全貌を紐解きます。
1. 100分間で起きた価値観の逆転:「働く=我慢」から「やりがい・楽しさ」へ
イベント終了直後に回収した事後アンケート(有効回答309名)で、「今日、実際に社会人の話を聞いてみて、『働く大人』に対するイメージはどう変わりましたか?」と問いかけた結果が以下です。
- やりがいがあって楽しそう:230名
- 誰かの役に立っていてカッコいい:178名
- 自分の好きなことを仕事にしている:108名
- 毎日大変そう・疲れていそう:102名
- 我慢してお金を稼ぐこと:34名
事前アンケートで80%を占めていた「疲労・我慢」という固定観念は打ち砕かれ、圧倒的多数の生徒が「働くことのポジティブな側面」を肌で感じ取る結果となりました。

この変容を生み出したのは、参加した14企業の大人たちの「覚悟」です。しかし、ただ企業を学校に呼んだだけでこの熱狂は生まれません。
トモニコでは事前に「綺麗な会社説明(パンフレットの読み上げ)は一切禁止」という独自のルールを敷き、生徒たちからの「ぶっちゃけ質問」を大人たちに共有し、事前の期待値調整を徹底していました。「一番仕事を辞めたいと思った瞬間は?」「どう乗り越えた?」といったリアルな問いに対し、大人たちが「採用の仮面」を脱ぎ捨てて本気で語りかける「大人の本音を引き出す空間設計」こそが、本プログラム最大の鍵なのです。
2. 生徒の心を動かしたのは「What(事業内容)」ではなく「Why(なぜ働くのか)」
「将来働く上で一番大切にしたいこと」を問う設問では、「高い給料や安定」を抑え、「自分の好きなこと・興味を追求できること」「誰かの役に立っていると実感できること」がトップに立ちました。

生徒の自由記述からは、企業規模や知名度といった表面的な情報ではなく、働く大人たちの「在り方」に強く惹かれた様子が鮮明に浮かび上がります。
「お金のために働くのではなく、人を笑顔にするために働くことが大切だと思いました」
「人に感謝を一番されやすいと思って、やりがいがあると感じた」
「みんなやりたいことを職業にしてて、心から楽しんでる感じがした」
「見えないところでも皆の役に立つことや、負担が軽減されるようなことをする、その価値観に気づいた」
「どんな仕事をしているか」ではなく、「なぜその仕事をしているのか」「誰を笑顔にしているのか」。そこにある泥臭いプロセスと本物のやりがいを知ったとき、高校生は初めて「自分もあんな大人になりたい」と前のめりになります。
3. キャリア教育が「日々の学習意欲」に直結する瞬間
学校現場において、キャリアイベントが「その日限りの打ち上げ花火」で終わってしまうことは少なくありません。進路指導の先生方が最も苦心されているのは、「イベントの熱が、日々の学校生活や学習意欲にどう還元されるか」という点ではないでしょうか。
今回のイベントは、その点においても明確な成果を示しました。
「今日の対話を経て、高校での毎日の勉強(授業など)は、将来の選択肢を広げるために必要だと感じましたか?」という問いに対し、実に約85%(261名)の生徒が「強く感じる」「少しは必要だと感じる」と回答したのです。

教員が何度言葉で伝えるよりも、社会の最前線で戦う大人たちの「高校での学びが今の仕事の基盤になっている」という生々しい言葉が、生徒自身の内発的動機を強く揺さぶりました。
4. 1年生のキャリア探究は、この先の「職場体験」へ
今回の公立高校の取り組みは、「進路を一つに決めるのではなく、自分にはどのような未来の可能性があるのかを広く考えるプログラム」として、同校の公式プレスリリースでも取り上げられました。
しかし、このプロジェクトはここで終わりません。「働くってかっこいい」と気づき、方向性が見え始めた生徒たちを、次は11月に実施される「職場体験」へと導きます。心が動いた企業の現場に直接足を踏み入れ、さらなるリアルを体感するステップです。
「やりたいことがない」と冷めきっていた生徒たちの心に火をつけることは可能です。必要なのは、同調圧力を排除した緻密な動線設計と、大人が本音で語り合える「本気の対話の場」を作ること。トモニコはこれからも、学校現場で日々奮闘される先生方の「頼れる伴走者」として、全国の教室にこの熱い化学反応を届けていきます。
Q. 高校卒業後の進路(やりたいこと)は決まっていますか?

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校内での企画会議や、教員間の参考資料としてぜひそのままご活用ください。
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