「毎年キャリア行事をやっているが、生徒が受け身で寝てしまう」
「素晴らしい社会人を呼んでも、表面的な調べ学習で終わってしまう」

多くの高校の探究学習や進路指導の現場で、先生方から必ずお聞きするリアルな悩みです。なぜ、大人の言葉は高校生に真っ直ぐ届かないのでしょうか。
9月某日、ある公立高校で、参加する企業担当者30人を超える大人たちを巻き込んだ大規模な「キャリア探究イベント(対象生徒約317名)」が開催されます。このイベントの開催に先立ち、生徒たちから回収した「事前アンケート」の生データに、その決定的な理由が隠されていました。

1. データが語る絶望的なリアル。「大人は毎日疲れている」が80%

イベントに向け、対象となる全317名に対して「働くこと、大人になること」への事前アンケートを実施しました。そこには、全国の先生方が肌で感じている「生徒たちの本音」が如実に表れていました。

Q. 「働く大人」に対して、今どんなイメージを持っていますか?(あてはまるものをすべて選択)


実に8割の生徒が「働くこと=疲労と我慢」というネガティブな思い込みを持っています。さらに、「今の時点で将来の目標ややりたい仕事が決まっているか?」という問いに対しても、厳しい現実が突きつけられました。

Q. 今の時点で、「将来の目標」や「やりたい仕事」はどのくらい決まっていますか?

約半数(49.2%)が「あまり決まっていない・全く決まっていない」と回答しています。
「働くことはしんどいし、やりたいこともない」。
この冷え切った状態の高校生たちを体育館に集め、通り一遍の「我が社の事業内容は〜」という会社説明を聞かせたところで、生徒の心は1ミリも動きません。

2. ただの会社説明会を「本気の対話」に変える裏側の仕組み

この分厚い壁を壊すために、トモニコはイベントの「裏側」に徹底的な仕掛けを施します。当日、生徒が前のめりになる化学反応を起こすためには、事前の「動線づくり」と、大人・生徒双方の「意識付け」こそが命だからです。

仕掛け①:同調圧力をなくす、1268枠の「完全個別スケジュール」

通常、学校行事でのブース見学は「自由行動(人気企業に偏る)」か「クラス単位での強制移動(興味のない話を聞かされる)」になりがちです。しかし、これでは本音の対話は生まれません。高校生は「友達の目(同調圧力)」を極端に気にするため、身内同士で固まるとふざけたり、逆に萎縮してしまったりするからです。
そこでトモニコは、生徒が事前アンケートで選んだ「直感で面白そうと思った企業」のみで構成される「生徒一人ひとりの完全個別スケジュール(全4ターン・計1268枠)」を作成しました。

ただ希望を叶えるだけではありません。システムを使って友達と固まって座れないよう、一人ひとり異なる完全個別スケジュールを独自のルールを組み込んでいます。先生の手作業では到底終わらないこのパズルを執念で組み上げるのは、「友達という安全な場所から引き剥がし、先生にも頼れない環境で、プロの大人と1対1で向き合わざるを得ない状況」を強制的に作るためです。

仕掛け②:大人が被る「採用の仮面」を外す、事前の“ぶっちゃけ質問”

高校生が本音を隠しているように、企業側も最初は「高校生向けのきれいな採用説明」の仮面を被って来校しようとします。トモニコはこのイベントを「会社説明会」ではなく「大人の生き様をぶつける場」と定義しているため、事前に参加する大人たちへ徹底したお願いをしています。
その一番のきっかけづくりが、生徒から集めたリアルな質問リストの事前共有です。

  • 「これも仕事だからさ、って言ってキャバクラ行くことってあるんですか?」
  • 「今までで一番、仕事を辞めたいと思った瞬間は?」
  • 「年収いくら無いと普通に生活していくのは難しいですか?」

これらの「ぶっちゃけ質問」を事前に突きつけられた大人たちは、「事業説明のパンフレットを読んでいる場合ではない」「自分の人生と本音を語らなければ、この高校生たちには見透かされる」と覚悟を決めます。大人の本気が引き出されて初めて、生徒の「働くことへの壁」を壊す準備が整うのです。

3. 果たして、高校生の「働く壁」は壊れるのか?

友達の目をなくした完璧な動線と、覚悟を決めた30名を超える大人たち。そして「疲れている大人」を冷ややかに見つめる317名の高校生。
舞台は整いました。
イベント当日、体育館で彼らはどんな顔をして大人と語り合い、どんな言葉を残すのでしょうか。次回の【Vol.2】では、熱狂的な現場の様子と、事後データが示す「生徒たちの劇的な変化」をお届けします。

【無料相談】貴校の進路指導・キャリア教育をアップデートしませんか?
トモニコラボでは、この記事で紹介したような中長期の伴走ワークショップや、企業のプロを招いた出張授業の企画・運営を行っています。

[学校の先生向け]出張授業・進路ワークショップの無料相談はこちら